






ナスは、インド東部出身で、日本へは3つのルートでやってきたと言われています。
インドからヒマラヤを超えて中国からはいったナス、朝鮮半島を経由してはいったナス、そして東南アジアを通って入ってきたナス、の3ルートです。
ナスの古い名前「奈須比」の「奈」は奈良の「奈」。
ナスと日本人は長い長いお付き合いで、約1200年前の奈良時代には栽培されていたようです。

水ナスや小ナス、長ナスは、水分が多く、皮や果肉が柔らかいのでお漬物にむいてるよ。
米ナスや丸ナスは、果肉がしっかりかたく油との相性もいいので、焼き物や揚げ物におすすめだよ。
品種によって調理の仕方を変えていろんなナス料理を楽しんでみてね。
ナスの90%以上は水分なので栄養がないと言われてるけど、ちゃんといい働きをしてくれています。
ナスの栄養成分といえば、なんといっても紫色の皮に含まれるナスニン。
ポリフェノールの一種で、活性酸素の働きを抑制してくれます。
簡単にいうと、カラダがサビるのを抑えてくれるということです。
血液をキレイにする働きがあります。
また、ナスに含まれるカリウムは、余分なナトリウム(塩分)を水分といっしょにカラダの外に出してくれるので、むくみ予防にも効果的です。



おいしいナスを見分けるコツ
ナスを、せっかく買うなら、選ぶところからこだわって。
次にあげるチェックポイントをしっかり覚えて、お買い物してね。
- ヘタの切り口がみずみずしくて新しい
- 皮にツヤとハリがあって、色ムラがない
- 茄子紺とよばれる紫色が濃い
- ヘタのトゲがとがっている
ナスの保存




ナスは下処理をして、上手に保存
ナスの9割は水分です。
保存する前に、加熱調理しておくと、かさがぐんと減るので保存スペースをとらないですみます。
下処理したあとは、冷蔵庫で数日、冷凍する場合はフリーザーバックに入れ、中の空気を十分に抜いて口をきっちりしめて冷凍保存します。
解凍後も手間いらずで便利ですよ。
では、さっそく下処理をして上手に保存しましょう。
其の壱 蒸す
ゆで蒸し
1.ナスのヘタを切り落とします。
2.フライパンに並べ、ナスの高さ1/4くらいまで水を入れる。
3.フライパンのフタをして強火にかけ、沸騰してきたら中火に落として15分ほど蒸し焼きにする。
焼き蒸し
1.ナスのヘタを切り落とし、縦半分に切ります。
2.皮面の太い方から長さ2/3くらい切り込みを入れる。
3.オリーブ油をフライパンに入れ中火でナスを上下返しながら2分ほど炒めたのち、水1/2カップを回し入れフタをして蒸し焼きにする。
オイル蒸し
1.ナスのヘタを切り落とし、乱切りにして水にさらし、キッチンペーパーで水気を拭く。
2.フライパンにナスを入れオリーブ油大さじ2〜3を回しかける。水大さじ2〜3を加えてフタをして加熱しする。途中、上下を返しながら6〜7分蒸し焼きにする。
3.火が通ったらザルにあげて水気をきっておく。
其の弐 炒める
1.ナスは縦6つ切りにしたのち適度な長さに切る。水にさらし、キッチンペーパーで水気を拭く。
2.フライパンにオリーブ油を熱し、ナスを炒め、塩コショウで下味をつけておく。
其の参 焼く
1.網の上で焼く。オーブントースターの場合は、1000Wで約10分焼く。焦げ目がつき、皮がはじけてくれば焼き上がりのサインです。
2.焼きあがったら、ヘタの方から串を入れて、手で一気にむきましょう。
其の四 塩もみ
油を吸収しにくくなるので、調理時の油の節約になります。また、短い炒め時間で味が馴染みやすくなります。
1.ナスは食べやすい大きさに乱切りする。
2.塩分3%ほどの塩水をはったボウルに10分ほどつけ、水気をぎゅっと絞る。
ポン酢じょうゆと和えて冷凍しておくと便利です。
郷土料理編〜しば漬け
京都大原発祥でいまや日本を代表する漬物です。
1.ナスと赤シソを洗う。
2.ナスはヘタを切り落として縦半分に切り斜め5mm厚さに切る。10分ほど水にさらしあく抜きをしたのち、水気を拭き取る。
3.赤シソに塩をふり、よく揉み込みあく抜きをして、よく絞る。
4.漬け込み容器にポリ袋を入れ、その中に塩→ナス→赤シソの順番に交互に重ね、最後は塩でフタをする。
5.ポリ袋の中の空気を抜き、上から重石をする。
塩はナスの重量の5%くらいです。数日から数週間で発酵し始め、鮮やかに発色します。
郷土料理編〜ナス干し
山形県の郷土料理です。
1.ナスを縦に7mm~8mmの薄切りにし、塩水に浸けあく抜きをする。
2.天日で乾かす。
戻すときは、水から火にかけ沸騰したら火を止め自然冷却させる。ひと晩おいたのち、きれいになるまで水を取り替える。
時間がないときの裏ワザ 冷凍保存テク



ひとくち冷凍ナス
味がしみやすくなります。凍ったまま調理ができるので便利です。
1.ナスはヘタを切り落とし、縦半分に切ってから乱切りにする。
2.ジッパー付きフリーザーバックに入れて、空気を抜きながら口を閉じ、冷凍保存する。
まるごと冷凍
カットしたりする時間もないわ、という場合は、まるごと冷凍に。カット野菜と比べ劣化しにくいので約1ヶ月半保存期間を伸ばすことができます。使うときは、夏場の常温5分で半解凍になります。半解凍で切れるようになるので、いつものように使ってください。
1.ジッパー付きフリーザーバックに入れて、空気を抜きながら口を閉じ、冷凍保存する。
オイル漬けにして楽しむ
ナスを蒸してオイル漬けに。準備するものは塩とレモンとにんにくとオリーブオイル。
小ぶりのナスのヘタを取り除いたら、蒸し器に入れて5〜7分。柔らかくなるまで蒸します。冷めたら縦方向に切れ目を入れて、そこに塩をひとつまみ、レモンとにんにくを詰めて加熱殺菌した瓶につめます。80度くらいにあたためたオリーブオイルをゆっくり瓶に注ぎます。3〜4週間目くらいから食べられます。約6ヶ月保存できます。
まとめ
- 水ナス、小ナス、長ナスは、水分が多く、皮や果肉が柔らかいのでお漬物むけ。
- 米ナス、丸ナスは、果肉がしっかりかたく油との相性もいいので、焼き物や揚げ物むけ。
- 美味しいナスの目利きは、ヘタの切り口が新しいか、皮にツヤとハリがあるか、紫色が濃いか、ヘタのトゲがとがっているか。
- ナスは暑さに強く、寒さに弱い。
- ナスは水分が多いので、加熱処理でカサを減らして保存。
- 下処理する時間がないときは、生のまま冷凍保存。

ナスは、日本人の食卓には欠かせない食材のひとつ。
ナスを買い過ぎてしまっても加熱してしまうとカサが減って、案外冷蔵庫内におさまるものです。
また、一人暮らしで中途半端に使い切れず捨てていたナスも、冷凍しておきことで、次回使えるので、うまく活用して節約のヒントにしてみてくださいね。