季節の野菜はオイル漬けにすると甘みが増して保存性も高くなります。オイルは空気を遮断する機能に優れています。野菜がかぶるくらいのオイルで空気に触れないようオイル漬けにすれば保存効果は抜群です。野菜をオイル漬けにしておくと、オイルの養分が野菜にしみ込み野菜から余分な水分が抜けていきます。野菜から青臭さが抜けて味が凝縮し、うまみや甘みが増していきます。低温に温めたオイルでゆっくり野菜に火を入れると、さらにうまみが引き出されしっとり柔らかく仕上がります。しかも、加熱しておけばそのまま食べられます。多めに作っておくと便利です。

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オイルは体に必要なものだった

オイルと言えば、「太る」「体に悪い」「コレステロールがたまる」というネガティブなイメージを持たれがちです。しかし、本当にそうでしょうか。オイル(脂質)はエネルギー供給源となる3大栄養素のひとつであるだけでなく、私たちの体を構成する細胞の膜はリン脂質と呼ばれるオイル成分で作られています。コレステロールはそのリン脂質の間を埋めている大切なオイル(脂質)のひとつ。つまり、オイル(脂質)は私たちが生きていくために必要なものなのです。
確かに、動物性油脂を摂りすぎると、細胞や血管に脂肪がたまって生活習慣病のリスクが高くなります。一方、植物の果実や種から搾った植物性油は、脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)やミネラルといった栄養素に加え、抗酸化力の強いフィトケミカルといった有効成分がたっぷりです。

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賢いオイルの選びかた摂りかた

[chat] 3大栄養素って何?
体を動かすガソリンのような働きをしている栄養素のことで、糖質、脂質、タンパク質が、3大栄養素と呼ばれているよ。
じゃぁ、おやつが好きだから糖質でカバーしようかなぁ〜
おーい!ほどほどにせーよー。黄金比(PFCバランス)っていうのが、日本人の理想とされてるから、ちゃんと覚えておいてよ。
[/chat]
P(タンパク質) : F(脂質) : C(炭水化物) = 15% : 25% : 60%
[chat] そっか。バランスよく摂らないといけないのね。でも、実際どれくらい摂ったらいいのか、よく分からないんだけど。
1日のオイル摂取量の目安は、体重を2で割ってグラム表示したもの。体重48kgの人で大さじ2杯(24g)くらいだよ。
[/chat]

オイルの摂りかたで注意しておきたいのが、「オメガ6系」の植物性油と「トランス脂肪酸」です。リノール酸(オメガ6系)は、人間の体内で作ることができない必須脂肪酸で血中の中性脂肪を下げる効果がありますが、摂りすぎると細胞壁の柔軟性がなくなり硬くなる危険性があります。その結果、栄養素や老廃物の運搬がスムーズに行われなくなり、アレルギーや生活習慣病につながるリスクがあると言われています。現代人はすでに過剰摂取しがちです。オメガ6系オイルからオメガ3系に置き換えを心がけてみましょう。

オメガ3:オメガ6 = 2:1 
オメガ3系オイル:エゴマ油・亜麻仁油・チアシードオイル など
オメガ6系オイル:グレープシードオイル・ごま油・ヘンプシードオイル など

トランス脂肪酸は、常温で液体の植物性油に水素を添加して人工的に作られるマーガリンやショートニング。その製造工程がプラスチックと同じなのでプラスチックオイルとも呼ばれています。摂りすぎると心臓疾患や糖尿病、ガンのリスクが高まると言われ、アメリカ食品医薬品局では原則使用禁止されている油です。また、せっかくいい油を選んでいても高温加熱をして臨界温度を越えるとトランス脂肪酸が発生します。できれば、煮もの、蒸しものに。炒めたり、焼いたり、揚げたりなど高温加熱をするときは、加熱調理に適した油か確認しましょう。

高温加熱に適した油
オリーブ油・こめ油・アボガドオイル・ココナッツオイル

また、オイルに含まれる脂溶性ビタミンのビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは、脂肪組織や肝臓に蓄えられます。足りないと欠乏症を摂りすぎると過剰症を引き起こすので、自分に合わせて足りない油を選びたいです。

【ビタミンA】
高い抗酸化力、視覚作用、皮膚や粘膜の正常化、発がん抑制作用があるといわれています。《足りないと》夜盲症・角膜乾燥症・皮膚角化症・成長阻害《摂りすぎると》頭痛・吐き気・脳脊髄液圧の上昇※妊娠の可能性のある方や妊婦さんは注意が必要です。

【ビタミンD】
カルシウムの吸収を促進、骨形成の促進。《足りないと》くる病・骨軟化症・骨粗鬆症《摂りすぎると》高カルシウム血症・全身倦怠

【ビタミンE】
抗酸化作用が高い。利尿作用を促進、むくみ予防に。《足りないと》動脈硬化・貧血

【ビタミンK】
血液の凝固。カルシウムの吸着を促進し骨形成に関与《足りないと》血液凝固時間の遅延《摂りすぎると》唇や爪が紫色・吐き気

知っておきたい第7の栄養素フィトケミカル

3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)にビタミンとミネラルを加えた7大栄養素。そして、水分と食物繊維を加えたものが7大栄養素と言われてきましたが、最近注目を集め新たな第7の栄養素と言われ始めたのがフィトケミカルと呼ばれる機能性成分です。野菜や果物の色、香り、苦味(あく)にかかわる物質です。その種類は10,000以上とも言われ、まだまだ未解明の物質がたくさんある分野です。
植物は動物と違い、常に過酷な自然環境にさらされています。強い紫外線、虫、動物などから身を守るために植物が作り出しているもので、活性酸素から体を守る抗酸化作用が特徴です。生きていく上で必須ではないけれど、よりよい健康の維持や生活習慣病を予防する効果が期待されています。

ポリフェノール
ケルセチン:ガン予防・高血圧予防・脂質代謝改善・抗アレルギー
ルテオリン:ガン予防・高血圧予防・糖尿病予防
タンニン:抗炎症
アントシアニジン:高血圧予防・糖尿病予防・眼病予防
プロアントシアニジン:ガン予防・動脈硬化予防・眼病予防・抗炎症
レスベラトロール:ガン予防・抗アレルギー・心臓疾患予防
γーオリザノール:ガン予防・抗アレルギー・自律神経失調症予防
オレウロペイン:動脈硬化予防・美白

テルペノイド
スクワレン:ガン予防・動脈硬化予防
βーカロチン:ガン予防
ルテイン:ガン予防・白内障・緑内障予防
ゼアキサンチン:白内障・緑内障予防

使ってみたい油7選

サチャインチオイル<オメガ3系>
熱に弱いオメガ3系のオイルですが、ビタミンEを多く含むため短時間であれば加熱調理が可能です。
脂溶性ビタミン:ビタミンE  
フィトケミカル:ケルセチン・βーカロチン

オリーブオイル<オメガ9系>
オレイン酸を高含有するオリーブオイルは、腸の蠕動運動を促すので便秘解消に最適。また、活性酸素を抑制し、血液を浄化する作用もあります。
脂溶性ビタミン:ビタミンE  
フィトケミカル:タンニン・ルテオリン・オレウロペイン・スクワレン・βーカロチン

べに花油 <オメガ9系>
胃酸の分泌が抑制されるので胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防に。
脂溶性ビタミン:ビタミンE  
フィトケミカル:クマロイルセロトニン・フェルロイルセロトニン・β-カロチン

米ぬかオイル <オメガ9系>
トコトリエノールを多く含み抗酸化力が強い。無味無臭でさらっとしているので、幅広い料理に使えます。
脂溶性ビタミン:ビタミンE・トコトリエノール
フィトケミカル:γーオリザノール

アボガドオイル<オメガ9系>
抗酸化力のあるビタミンEはオリーブオイルよりも豊富。熱に強いので炒め物など加熱調理が可能です。
脂溶性ビタミン:ビタミンA・ビタミンE
フィトケミカル:ルテイン・βーカロチン

ピーナッツオイル <オメガ9系> 
オレイン酸を多く含み胃もたれを防ぐ効果があります。フィトケミカルを豊富に含み、抗酸化力、抗アレルギー効果があります。ピーナッツはアレルギー反応を起こしやすいので、アレルギー体質の方は要注意です。
脂溶性ビタミン:ビタミンA・ビタミンE
フィトケミカル:アントシアニジン・プロアントシアニジン・レスベラトロール・ケルセチン・ルテオリン・βーカロチン・ルテイン・ゼアキサンチン

グレープシードオイル <オメガ6系>
白ワインの原料となるぶどうの種を乾燥させて搾油されるため、ポリフェノールの含有量が多く、抗酸化力が高い。抗がん作用や抗アレルギー作用が期待できます。クセがないので幅広い料理に使えます。
脂溶性ビタミン:ビタミンE
フィトケミカル:アントシアニジン・プロアントシアニジン・レスベラトロール

作ってみたいオイル漬けアレンジ

夏野菜は焼き色がつくまで炒めて。パプリカはしっかり焼いて甘みを引き出して。ナスには皮面に切り込みを、ズッキーニは輪切りにすると、火通りがよくなります。秋野菜は低温油でゆっくり煮てコンフィにして保存しましょう。

夏野菜のオイル漬け
《切り方》野菜をそれぞれ好みの大きさに切る。
《焼き方》フライパンにオリーブ油を入れ熱し、野菜を入れてフタをし両面に焼き色がつくまで蒸し焼きにする。バットなどに出して塩を軽くふり粗熱をとる。30分ほどおくと味がなじんでくる。
《保存》煮沸消毒した保存瓶に入れ、オリーブ油(お好みの油)をひたひたになるまで注ぎ、冷蔵庫で2週間ほど保存可能。

夏野菜のオイルマリネ
《下処理》野菜をそれぞれ好みの大きさに切る。
《焼き方》熱したフライパンにオリーブ油を入れ、硬い野菜から入れて炒める。両面に焼き色がつくくらい炒めたらタイムなどのハーブを加え、オリーブ油をまわしかけ味をなじませる。
《保存》冷蔵庫で3〜4日保存可能。

里いものコンフィ
《下処理》たわしで泥を洗い流し、水分をよくふきとっておく。
《焼き方》皮付きのまま鍋に入れ、オリーブ油をひたひたになるまで注ぐ。火にかけて100度まで熱し、温度を保ちながら里いもが柔らかくなるまで1時間ほど煮る。竹串をさしてすっと通れば出来上がり。
《保存》保存容器に油ごと入れ、冷蔵庫で2週間ほど保存可能。

ごぼうのコンフィ
《下処理》たわしで泥を洗い流し5cmの筒切りに切る。
《焼き方》皮付きのまま沸騰した湯にくぐらせ、水分をよくふきとっておく。鍋に入れ、オリーブ油をひたひたになるまで注ぐ。火にかけて100度まで熱し、温度を保ちながらごぼうが柔らかくなるまで1時間ほど煮る。竹串をさしてすっと通れば出来上がり。
《保存》保存容器に油ごと入れ、冷蔵庫で2週間ほど保存可能。

番外編 オイル漬けチーズ
チーズをハーブやスパイスといっしょにオイルにつけ熟成させてみましょう。とろっと溶けて味の変化も楽しめます。
チーズとハーブ選びのヒント
白カビ系:カマンベール・ブリー
青カビ系:ゴルゴンゾーラ
ハーブ&スパイス:タイム・ローズマリー・黒胡椒・クミン・にんにく

漬けたあとのオイルは調味料として二度おいしい

野菜のオイル漬けしたあとに残ったオイルには、素材から抽出されたエキスがたっぷりです。調味油として使うことで塩分や糖分を控えることにつながり、料理がワンランクアップします。パンを浸したりドレッシングやマヨネーズを作ったり、炒めものやスープなどにアレンジすれば、用途は無限大。炒め物に使うときはこし器で野菜かすなど不純物をとり除いて使いましょう。

まとめ

まとめ

・オイル漬けにして空気を遮断することで野菜の保存性が高くなる。
・オイル漬けにすると野菜から余分な水分が抜けてオイルの養分がしみ込むので、うまみや甘みが増す。
・秋野菜は低温油でゆっくり火入れするとさらにうまみが引き出される。
・植物性油には、脂溶性ビタミン、ミネラル、抗酸化力の強いフィトケミカルといった有効成分が多く含まれる。
・野菜のオイル漬けしたあとのオイルには素材からの風味が出ているので調味油として使えば塩分や糖分カットになりヘルシー。

[chat] 油は悪いものと思っていたけれど、体に大切な役割があったのね。
植物性の油の種類にこんな個性があるのでオイル漬けにして、いろんなオイルを楽しもう。
やんさま、ありがとう。
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